足はとまれど意思はゆるがず。【W杯プレーオフ なでしこ最終決戦 3.18】
試合概況
- FIFA女子ワールドカップ2007予選 プレーオフ 第2戦
- 2007年3月18日(日)3:00(日本時間)/メキシコ
- メキシコ女子代表 2-1 なでしこジャパン
- 得点者
MVP荒川選手
私が認定しただけですが。
序盤メキシコにおし込まれ、最初につかんだセットプレイ。左から右側大外にいた荒川選手にダイレクトでロングキックが届く。ぴたりとトラップして前に出し、本当に角度ゼロからゴール天井に豪快につきさした。まるでベルカンプのようだ。
決まった瞬間に感激してまた涙が。決めた意味、ゴールの見事さ、結果にもたらす重要さを思うと、本当に重いゴールだった。加えてなぜ彼女はフリーになったのか。他の選手が中に走りこんでマークをずらし、キッカーが荒川選手にあわせたからだ。チームとして一体となっている。
Q:決まった瞬間は?
「完全にいいボールを瑠美がくれたんで迷わずシュートと思って打ちました。で、入ったところまでちゃんと見えなくて、DFがいたからかな?それで、「あ!入ってる!!」って思って嬉しかったです。
1点はとれたんですけど、みんなに支えらえてとれた点なので・・」
試合後の荒川恵理子選手(日テレ・ベレーザ)コメント J's GOALより
逆転される前半
そのあと立て続けにPK、逆転ゴールを許す。相手の9番は男子でも通用するような豪快なストライカーだった。しかし、怪我で途中交代してしまう。
サウジアラビア戦
概況
AFCアジアカップ2007予選大会 グループA
簡単な経過
前半
最初の15分、押し込まれるというか、ボールが前に入らない。サイド・バックラインともに慎重。
15-30分、後ろの選手がポストの二人の使い方がわかってきたようで前にボールが入りだす。中盤の数的優位→サイドへ展開と練習どおりの形が出始める。コーナーキックから得点し、勢いがつく。
次に右サイドを崩した返しに最終ラインの今野がフォローにきて、中に切り替えしてセンタリング。我那覇がニアからファーに難しい角度のヘディングをどんぴしゃに決めて、キーパーが動けなかった。
その後すぐにミスからPKを与えて失点。
後半
序盤に左の駒野から崩してセンタリング、最後は我那覇が中央フリー、足であわせ、得点。
その後はばてて押し込まれていた。
確実な進歩
前回のサウジ戦と比べて、こんなに日本にチーム力あったっけ?と思わせるほど普通のサッカーを展開して快勝した。そうか、今回は普通のJリーグ終盤疲れ目コンディションで、前回はアウェーの10時間以上移動・到着即特訓・暑さ厳しい高地だったんだ。それを差し引いても中盤・バックラインのコンビネーションが進歩しているように見えるのは贔屓目か本当か微妙だけどね。
これで2006年は終わり。ワールドカップイヤーだった記憶はまだ眠ったまま、次世代が動き出した。ひとが変われば変わるものですね。
巻、どうよ?
ちょっとこのやり取りみて吹いた。
- ――今後も巻には先発のチャンスを与えるか?
- 巻が駄目だというのか?
- ――駄目というわけではないが、ほかにももっといいFWがいると思うが
- 具体的な名前を出してくれ
- ――播戸
- ナシとリンゴを比べて、どちらがいい果物かということか? ほかには?
Sportsnaviサウジアラビア戦後 オシム監督会見(2/2)より
ストライク投げ込まれたら、悔し紛れにビンボールぶつけ返してるみたいだ。オシム語録の「暴投編」にでも分類してほしい。
でも、結果(得点)のない選手を自分の責任で守るという意味では筋が通ってますよ。念のため。
出来が良いときに愚痴るのがオシム流だというのも判明。裏返しっぽい。だんだん記者も慣れてきたのか、他のやり取りも結構面白く、よい会見になってますので一読お勧めします。
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サッカー熱とか北海道とか
熱が冷めた
ワールドカップが終わって、ずいぶんサッカー熱が冷めてるなと指摘された。「開幕前はあんなに入れ込んでたのに」と。そんなに語るタイプでもないので、伝わってるのが不思議だなあ。顔に出てわかりやすいのか。
確かに観てはいるが熱は冷めてる。
それと欧州サッカーについていけない。
俊輔の活躍ニュースですら、収集するだけでいっぱいいっぱい。
インド戦
概況
●AFCアジアカップ2007予選大会 グループA
10月11日21:10キックオフ(日本時間)/インド・バンガロール
- 日本代表 3-0 インド代表
- 得点者 '23 、'44 播戸 竜二(日本代表)、'82 中村 憲剛(日本代表)
試合後にプレビュー
【日本代表 vs インド代表:プレビュー】「真のポリバレント」とは何か…。
実際の日本の試合運びは元川悦子さんの記事の練習そのまんまだったりする。サイドの崩しとか、播戸竜二選手の好調とかが。
インド代表
インドは人口が世界二位の10億人、GDPは世界10位の規模の超大国といっていい。しかしちょっと普通の「国」ではない雰囲気がある。
サッカーに限れば以下の二点がかなり疑問だ。
- ホントに10億人からセレクトしたのか?
- 代表戦で、停電するようなスタジアムを使うのはなぜか?
前回W杯一次予選には全停電、今回は1/4基だけだから進歩したということなのか。2004年6月に埼玉スタジアムで見たときは、選手によってはフィジカルが優れるが、あんまりサッカーはやってない小国のような雰囲気だったと記憶している。当時の試合とメンバーを見比べたら、残っているのはMF 6 ベンカテシュとFW 15 バイチュン・ブティアだけだ。そうだ、割とタテの速さはあった。しかし、残念ながら日本代表の相手ではない。
試合が始まると積極的に前に出てくる。割と日本もあわてるかと思いきや、逆サイドがあからさまにガラ空き。サイドチェンジ一本で容易くセンタリングにもっていってた。
今回の収穫
やっぱりゴールですね。播戸竜二選手のガッツあふれる2ゴール。しかも1点目は左のアレックスからのセンタリングで、2点目は右のアレックスからのセンタリングに、飛び込む。停電明け直後にフレッシュな感じでよかったです。あとは中村憲剛選手のミドルシュート。攻撃陣はとりあえず中村(憲剛・直志・俊輔)並べときゃいいんだよ、というシロウト考え。
難解なのはなぜか
どちらかというと退屈な試合だったと思う。面白いところはあまりなかった。それはなぜか
。やりたいサッカーが実行できていない→結果がでないということに尽きる。
過去二試合ぶちぶぐちってて、今回も愚痴りそうになって。そこで10年以上も代表のサッカーみてきて、振り返ってるに、育成・評価(選手選考)・試合結果を一度に求めてもダメだと自分を諌めてみる。。。多分今は評価以前の育成の時。
インド戦後 オシム監督会見(2/2) AFCアジアカップ2007予選 第5戦 2006年10月12日Sportsnaviより抜粋
ポリバレントという意味で、今日一番のプレーヤーは鈴木だった。つまり中盤の底でやって、アクシデントに対応して1枚下がってリベロになった。それから山岸が、最初は左サイドでプレーして、その後は右サイドになった。両サイドができるというのはポリバレントである。それができる選手がそろっていると、メンバーを交代せずにチームの中でポジションを変えて、全く違う戦い方ができる。そういう可能性を実現させることがポリバレントな選手だ。
自分としては、「ポリバレント」をこう読み替えている。
- 内容 適時適所最適プレイ遂行
- 目的 ボール・ゴールへの常時アウトナンバー形成(相手より有利な人数をつくる)
特に目的の方はチーム全体で意図を持たないと、前線の選手がフリーマンにならないということ。いや、今までもずっとやってたし、これからもずっとサッカーの基本なんですけどね。
で、前戦のガーナ戦での「ポリバレント」な選手が今野泰幸選手であるし、今回のインド戦は鈴木啓太選手であることから、今は「ビルドアップできるストッパー」育成の時であることは間違いない。
気長に見守りたい。
ひょっとしたら中澤佑二選手に足技を鍛えるほうが早かったとしても。
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ガーナ戦
概況
【日本代表 vs ガーナ代表】
- ●KIRIN WORLD CHALLENGE キリンチャレンジカップ2006
- 2006年10月4日(水)19:21
- 日産スタジアム/52,437人
- 日本代表 0−1 ガーナ代表
- 得点者:73' ドラマン・ハミヌ
ガーナ代表
カメルーンに断られてあわてて探した相手なのだが、結果的にガーナの方がいいチームだったと思う。ワールドカップでもベスト16に進出したチームそのままにキャプテンのアッピアー、エシアンというワールドクラスのMFも来てくれたし。
とにかくラインが高い。闇雲に押し上げてるんじゃないかというくらい高くて、そのまま攻撃につなげる。ただ決定力はチームの完成度にみあうものではなかった。
でも十分強い相手だが、W杯でブラジルとやった時にはあっさりと破られていた。ほんとにレベル高いなぁ。
というか、
わが代表に結果を求めるのを押さえきれない。善戦だか収穫だかはおいとけ、と言いたくなる試合だった。個々の動きはあるのだが、フィニッシュが足りない。ストライカーも不足だが、MFのフィニッシャーも足りない。多少のことではバテない玉ばかりいるからもっとゴール前に走り込んでほしかった。
ポリバレント?
今日の最終ラインはなんと、今野、阿部、水本という3人。オシム監督はビルドアップ−バックラインのパス回しと前線へのボールの入れ方に相当こだわっているみたいで、ゴール前の競り合いを捨てているとしか思えない。「どうせ、1点以上は失点するし」みたいな。
宇都宮さんのコラムが的確だった。
「ポリバレント」という光明(2/2)
日本代表対ガーナ代表 2006年10月05日 (文= 宇都宮徹壱 )より引用最後に、この日のテーマである「ポリバレント」について言及しておきたい。
私が見る限り、最もそれを体現していたのは、慣れないストッパーのポジションで奮闘していた今野であったと確信している。
(中略)
オシムジャパン初出場となったこの日のガーナ戦では、どんな状況に対しても柔軟に対応し、可能な限りベストな判断をし、それを実践する高い能力を示してみせた。守備的MFであろうが、ストッパーであろうが、いきなりスタメンだろうが関係ない。ありとあらゆる状況をイメージ化する想像力、迅速に対処する判断力、そして正確に実現する技術力――今野には、オシムが求めるポリバレント性が十分備わっているように、私には思えてならない。
補足すると「ポリバレント性」は「評価結果」に過ぎないと思う。だから選手には「何を一番優先すべきか」を状況把握と予測から随時判断することに集中してもらうのが一番でしょう。誰でもやってるけど、求められる水準は「日本代表」だから、たとえば「予測」ひとつにとっても最低3手先、10パターン近くは瞬時にシュミレートしてほしいところです。