代表監督人事
「これがサッカー」なら奥が深すぎる。
後任監督の件です。
次は岡田武史さん、岡田監督だそうです。
僕がみた岡田監督の印象は、用兵に優れ、勝負どころで熱くなり、ギャンブルに出ます。また、1997年当時と同じく緊急事態での登板となります。誰もが彼がもう一度やるだろうと思っていたので世論もそう大胆に反対はできない。
何より彼は時宜を得て二回も日本代表監督の座を射止めるのだ。こんなに劇的な人事はそうないだろう。二回もやるなんてどんなに望んでも誰も出来ない。
そして彼は文字通り火中の栗を拾い、ワールドカップ予選という最も厳しい勝負に向かう。
すばらしすぎる。サッカー的に美しすぎる。
*1
監督のミッション
「オシムサッカーの継承」というキーワードが齟齬をきたしているようですが、僕から見れば全然違うともいえるし、継承するとも言える。
全然違う点は、過去2年と今後2年の課題ですね。
- ここ1年強でオシム監督は育成を実施した。
- W杯予選を08年2月に控え、これから選考・強化を実施すべき。
- そして岡田監督は選考(用兵)が下手ではない。誰をいつ使うかにさほど間違いはないと思う。グループ的な育成の時期はそろそろ締め切られたのだ。若い攻撃のタレントは別ね。でも、中村俊輔初代表は岡田監督の時なんだよね。そろそろ恵まれる機運あり。
同じ点は、ピッチに現れる基本戦略、サッカーのスタイルですね。次にどんな監督が来ても変えられない部分っていっぱいあるでしょ? 勝ちスコアの基本は2対1だとか、中盤で優位をつくるとか、早いボールまわしとか、ゾーンプレスとか、エースは中村俊輔で、とか。逆に言うとその程度しか引き継がれないというのが僕の予測です。
しかし日本協会には文句がある。
今回の代表監督選考の対応をいってるのではない。
イビチャ・オシムさんは今66歳。現在日本人の平均リタイアは63歳*2。監督を依頼したとき、2010年には68歳になることは判っていた。
オシム監督就任時に僕が唯一指摘したリスクが「年齢」だったことを思い出せば*3、今回の事態は予防・予見できたはず。
1997年に加茂監督の更迭を決めたのも誰あろう日本サッカー協会。今回もオシム監督の年齢はだれもがわかること。やはり日本協会のリスクマネジメントに疑問符はつく。
また、今回岡田武史さんが監督になれば人材は払底する。外国人監督招聘に確固たる実力がない今、早くも日本人監督の(10年内で)最後のカードを切ることになる。
井原正巳さんが代表監督を務める(もしくはドーハ世代が代表監督を務める人材を輩出する)のはあと数年で足りるのか? 早くても2015年以降ではないのかね? どうするの?
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