チェルシー最強

プレミアリーグ 2005/2006 第11節

最強のチーム

なかなか1試合通してみる機会がなくて、昨年のCLでバルサとやった4-3の試合が強烈に印象に残ってるところで久々にみた。(VarietyFootballのレポート)
『やはり今のチェルシーは当代最強だ』ということを見せ付けてくれた。前半に2点リードしたら、「早い時間の「2-0」のリードは難しくて危ない」の通説どおり追いつかれてしまった。しかし、後半になると何事もなかったかの様に2得点して勝ってしまった。切り替えの早さに驚くばかり。

布陣

中盤の攻勢がかなり工夫がなされている。プレミアの宿痾のようなフラット中盤4枚ではなく、FWをドログバ1枚にして、MFを5枚にしている。センターに4マケレレ・8ランパード5エシアンが並び、ボールを奪取する。そして前に送った後、ゴール前に飛びこんでいく。左右のMFには10ジョー・コールと売り出し中24ライト・フィリップスが勢いよく縦に駆け抜け、フォワードをフォローする。絵にするとこんなかんじ

                                                                                                • -

┃□□□□□□⑮□□□□□□┃⑮ドログバ
┃□⑩□□□□□□□□□24□┃⑩コール24ライト・フィリップス
┃□□□□⑧□□□⑤□□□□┃⑧ランパード⑤エシアン
┃□□□□□□④□□□□□□┃④マケレレ
┃□③□□□□□□□□□⑬□┃③デル・オルノギャラス
┃□□□□26□□□⑥□□□□┃26テリー⑥カルバーリョ
┃□□┏━━━━━━━┓□□┃
┃□□┃□┏━①━┓□┃□□┃①チェフ
┗━━┻━┻━━━┻━┻━━┛

                                                                                                • -


前線の控えも9クレスポ22グジョンセン16ロッベン11ダフと、レギュラークラスが揃っていて、ローテーションも完璧。

決まりごと。

敵ボールのときはかなり明快だ。

  • 1.センターラインから自陣15m内でラインを保ち、ボールサイドに4人以上のMF/DFを集めボールを奪取する。
  • 2.ボールを奪取したら、パス3本内で前に向く人をつくる。同時に左右のMF・FWは敵をはずす動きをして敵DFの裏へトップスピードで入る。
  • 3.前を向いてもらえた人は、左右どちらかのMFおよび相手のサイドの奥をめがけて蹴る。

どこのチームでもやるべきことだけど、また、ここまで上手くいったら、敵チームの研究にあいたたきつぶされるけど、それを強度なフィジカルと戦術の徹底で実現している。
また、相手がベタ引きしたら決定力が問題になってくるけど、それを苦にしないボール回しと攻撃を実現している。昨年までは守備の堅さばかりめだったけど。個人の自由に任せる場面もはっきり決まっているみたい。予め、ここまで進んだらもうボール失ってもいいからチャレンジしろよ、みたいな。

論理的に最強

原始的なサッカーの状況では、走る量と競り合いに負けなければ絶対に負けることはないわけだけど、今のチェルシーはそれをチームで実践しているのでやはりすごい。
アブラモビッチオイルマネーが投入されてチェルシーの改造が始まって3年目。こういうチーム作りはやはり1年では無理だ。昔のインテルの様に、単にお金を投入しただけでは、スターは集まってもチームの強さには直接いかされなかった。プレミアにオーナーとして定着し、モウリーニョをスカウティングしてくるには、優秀なスタッフが必要だ。
調べてみたら、アメリカ弁護士出身の Chairman*1 Bruce Buckが豪腕だそうです。チェルシーの経営もまたいろいろ話がありそうですね。
1203

*1:日本語では会長?